麻薬密造地帯へ行く【ゴールデントライアングル】
サワディーヂャーオ!
行き方
バスの場合
最高にローカル。39バーツ。
1時間40分ほどでチェンセンに着きます。
チェンセンからはトゥクトゥクに乗るしかありません。4人で乗って1人40バーツ弱取られました。バスより高いし。
バンの場合
ゴールデントライアングルを眺める
アヘン博物館(Opium museum)へ行く
ここゴールデントライアングルは、麻薬の密造地帯としても有名でした。20世紀半ば、中国国民党の残党も多くここに逃れてきています。国民党の残党と現地のシャン族(ミャンマーのタイ族)の間に生まれたクン・サはこの一帯を支配し、アヘンを資金源とするために麻薬密造地帯にしたようです。中国共産党の対抗組織として存在させるためにアメリカが麻薬購入に肩入れしていたとかいないとか。
現在でもミャンマー側では麻薬の栽培は継続されているようです。
館内ではアヘン栽培の経緯のほかに、アヘンの使い方やその道具の紹介などがされています。
普段麻薬とは接点がないので見ていて面白かったです。モルヒネもアヘンから作られているとのことで、その鎮痛作用のために麻酔かつては麻酔として使われていたそう。
また女性が首にリングを巻く首長族とも呼ばれるカヤン族の説明もありました。博物館の説明によると彼女らがリングを巻く理由は、かつて虎に首を噛まれて亡くなった女性がいるらしく、それ以来虎から首を守るために女性の首にリングを巻き始めたとのことらしいです。ちなみに実際に首が伸びているのではなく、リングによって顎が引き上げられ鎖骨が下に下がっているようです。彼女らの首は極めて不安定になっていて外すと危険なため、普段リングを外すことはないようです。
なんとも、、彼女らの写真を見ても気持ちがいいものではないですが、伝説に基づく伝統ばら僕がとやかくいうことはありません。しかし、現在では物珍しさから多くの旅行者が首長族を見に訪れるため、観光資源収入を得るためにリングを付けさせられている、とも言われています。こうなると人権的にどうなのか、って感じはします。結局一番利益を得るのは観光業者でしょうし。
ボートでラオスへ行く
上に書いた象の像の近くにボートチャーターをできる場所があります。
ラオス領のマーケットに行くのに、最安のボートで一台あたり500バーツと言われ、それ以上値切れそうにもなかったので4人でシェアして乗りました。
タイ側ではこんなところからボートに乗ります。
ボートは小さいのにかなり早いです。転覆しないか怖いレベルです。笑
ラオス側につくと、入場料30バーツを支払います。ビザが必要であったりパスポートにスタンプが押されたりすることはありません。
ラオスに着くとマーケットがずらっと並びます。
一番度肝を抜かれたのはこのコブラとかサソリが入ったウイスキーですね。友達が家族用のお土産に買おうか真剣に悩んでいたのでだいぶ引きました。
マーケットを抜けると畑と自然が広がっています。このままラオスに密入国できちゃうんじゃないかと思いましたがラオスに入ったところでなにもできないのでやめておきました。
この周辺にはカジノもあるらしく、やってみたかったんですが、友だちとコンセンサスをとってやめることにしました。
ボートで帰る際に、川からゴールデントライアングルが見える地帯に行かせてもらいました。正直川から見てもよくわからなかったんですが、
「今3か国の国境の上にいるよ!」っていうGoogle mapを使った遊びをしていました。
ゴールデントライアングルと”国境”
国境とは権力者の手によって引かれたものなのだなということをかなり実感しました。タイの国境線は幾多ものせめぎあいで変更されているからか、ラオスに入ってみてもタイ国内と雰囲気はほとんど変わりませんし、ラオスではタイ語もかなり通じます。もちろん、ラオスで僕が入れた地帯はタイからの観光客しか来ないのでタイと同じような雰囲気であるのは当然なのですが、ミャンマーにもタイに近い地域ではシャン族というタイ族が住んでいますし、ラーオ人もかなり歴史をたどればタイ人と同じところにたどり着きます。
そういった、いくつかの民族がそれぞれ暮らしていた地域に国家という大きなまとまり同士の争いの都合で線が引かれて、国内に少数民族が発生し、争いが生まれるんだなと。そう考えると、近代国家の領域という概念が入ってくる前の、マンダラ型国家時代の、国境のない時代の方が各々の民族の自主性は尊重されていたのかなとも思います。戦だらけの戦国時代ですが。
※タイを含めた東南アジアの統治システムは、西欧諸国が進出してくる前はマンダラ型国家という仕組みで、中心の大きなまとまりが周辺の中規模、小規模のまとまりを支配する、という形をとっていました。中心の権力の支配力は中心から離れるにつれて弱まり、国境という概念はありませんでした。
さいごに
この国境地帯は興味深い歴史があり、学ぶことが多かったです。三つの国家が混じりあっているのでより複雑な問題も他にあるのかなとは思います。今度行くならミャンマーの領土にも行ってカジノにも挑戦してみたいですね。