一週間のインド旅行で感じたこと【日印関係・旅行の費用なども】
またインドのお話。これだけインドの記事を書くのもそれだけインドは印象深い国だった、ということ。
インドについて自分が調べて得た浅薄な知識をもとに感じたことなどを書いていく。
インド人の社会
インドは多文化多宗教。
宗教
俺が知っているだけでも、マジョリティのヒンドゥー教、長いことこの宗教国家による支配が行われたイスラム教、インドが起源である仏教、同時期にできたジャイナ教、ヒンドゥー教を改善したシク教、ポルトガルやイギリスによりもたらされたキリスト教など、インドに行くといろんな宗教を見つけられる。
沐浴をするヒンドゥー教徒
ヒンドゥー教徒の次に多いのがムスリム。イスラム帝国の支配が強かった北部は特に多めだと思う。
ジャイナ教の寺の中と白い仏像。
寺に入る前に足を洗うシク教徒。
言語
また、ヒンドゥー語と英語が公用語であるものの、場所によって異なる言語を話す。(場所によって異なる言語が話されるが故に英語が使われている。)コルカタではベンガル語がメインだった。
インドで底のない自由が認められている理由はこの多様性によるんだと思う。ひとつの国の中でこれほど多様な文化が共存するためには、自由が認められることが前提条件なのかもしれない。
ジェンダー
インドでは男女比率に大きな差があると授業で先生が言っていた。実際に男性1000人に対する女性の数は933人。都市部に限ると900人。
男女が生まれる割合は人種や地域によらずほとんど変わらないはずだから、それほどに男尊女卑の傾向があるんだと思う。実際に地下鉄や通りなどであたりを見回すと男性ばかりで、驚くほどに女性が少ない。女性は未だに外に出にくい社会なのかもしれない。
とりわけ地下鉄は男性だらけだった。
カースト
細かいカーストの区切りのことはわからないけど、カースト制度も依然強いのではないかと思う。たしかに、カーストの一つの指標である肌の色による差別はおそらくかつてより和らいでいるのかもしれない。実際肌が褐色の人でも裕福そうに見える人はいた。いい職を得て、お金を得る機会さえあればカーストを抜け出して新たな自分になることもできるのだろう。しかしそれは教育を与えられず、物乞いであったり所得の少ない仕事に従事するしかない人にとっては不可能に近いことだとも思う。格差はいまだに大きく、依然として貧富の差を逆転しにくいという意味では、昔からの階級の違い、つまりカーストは依然根強く残っているように思える。
物乞い、客引きとの付き合い方
物乞いはタイにもいるけど、彼らに対してどう対応すればいいのかは未だに答えが出ない。
インドを旅行していて。自分と彼らの違いは単に生まれた場所の違いなんだということにはっきり気づかされた。もし自分が物乞いをする彼として生まれていたら自分はどうしただろうか。どんなに旅行をしたいと願おうともこのように旅行ができているはずなどない。俺も物乞いやだます商売をやる以外の生き方を教えてもらうことすらできなかったかもしれない。
しかし、「列車で床掃除のような仕事をしてお金をせがむような子どもにはお金を上げるべきではない」、というような話を聞いたことがある。親は、「子どもならお金を得やすい」、ということを知ったうえで子どもを働かせているのであって、我々が「子どものためになる」、と思って渡したお金はほとんど大人の手に渡ってしまうらしい。このように、収入元になる子どもは学校に行かされることはなく働かされる。だから子どもにお金をあげることはより子供を働かせることにつながり、子どもが教育を受ける機会を減らすため逆効果だ、と。
同様に、大人の物乞いが存在するのもお金をあげる人が一定数存在するから、ということも言えるかもしれない。もちろん餓死しそうなほどに耐えきれない思いをしている人もいるかもしれないが、実際に体が不自由に見える物乞いもお金をもらうために演技をしている、という場合もある。
ただ自分自身も物乞いには一度もお金をあげてはいないけど、物乞いやしつこい客引きに対しては軽蔑もしくは憎悪の目線をくれて追いやって終わらせてしまう人がいることになんとも言えない気持ちになった。彼らを軽蔑する理由はどこにもないと思う。
いろんな人の考えが聞きたいところ。
インドと日本の関係
インドを歩いていると、たまにインドのモディ首相と安倍さんが一緒に写っているポスターが見つかった。
おそらく政府が張らせたもの。
お互い中国と不仲という共通点を持っていることもあり、2015年に安倍さんがインドを訪問してから日印関係はかなり密接なんじゃないかと思う。日本人だけにアライバルビザが認められているのも安倍さんの訪印のおかげだ。安倍さんはムンバイでの高速鉄道の受注を決めただけじゃなく、原発の輸出も取り決めてきた。調べると現地のインド人の間で原発への反対運動はまあまあ強いようではあるけど、慢性的な電力不足を考えるとインド政府が原発を推進しようとする理由もわかる。俺も何度かインドの宿で停電を経験した。
インドの電力事情
先に述べたように、電力が不安定なこともあって、インド人の電気の節約意識は高いように思える。例えばタクシーの多くはエアコンを使っていない。エアコンを使うタクシーとなると追加料金を払う必要があるし、タクシードライバーは客を乗せないときはエアコンを使わない。全タクシーにエアコンがついているタイとは違うところだ。
鉄道だと、エアコン付きとエアコン無では値段は格段に違う。これもすべて電力が不安定であり、電気料金が高いことが理由だと思っている。宿の人も外出時は絶対にエアコンはつけっぱなしにするなと警告してきた。だから必ずしも環境に配慮しているわけではなく、お金を節約するためだと思うが、電気節約への意識は高い。
インド旅行に必要なもの
普段の旅で必須じゃないもので必要なものを書く。
防寒着
下痢止め・風邪薬