北インド旅行紀【6日目】バラナシ
この日は朝5時に起きてまた朝日を見にいく。
おそらく何回見に来ても飽きないだろう。
いつから寝ているのかわからないが、いろいろな人が朝からガンガー沿いにいる。
この訳の分からない世界も、足を運ぶうちに少しずつわかるようになるのかもしれない。
ガンガー沿いを歩いていると小舟に乗せようとする人、小物を売りつけようとする人、お金を請う人、しきりに握手をしてこようとしてくる人などいろんな人が何度もやってくる。俺は一度だけ握手に応じてみた。
バラナシではお決まりの”Where are you from?” から始まり、会話を続けていると、どうやら彼らは俺にマッサージをしたいらしい。さすがに振り払った。
バラナシではどんな親切でもお金がかかると思った方がいい。
バラナシで目を引いた、というか見た目に驚いたのはふんどし一丁で全身を真っ白に塗りたくった男たち。
Wikipediaによると、かれらはサドゥーと呼ばれる敬虔なヒンドゥー教徒のなかのナーガという人たち。彼らはすでに俗世捨てていて、髪も切らず髭も剃らないようだ。
俺がみたナーガは小さい太鼓のようなものを鳴らしながら歩いていた。
大雨によって傾いてしまったという寺。
のんびり過ごすバラナシ
その後は宿で昨日と同じ朝ごはんを食べて、昼寝をしたりしながらまったりする。
12時過ぎにご飯を食べに外へ出る。バラナシでは寝るか食べるかしかしていない。
俺以外の4人が安いインドの伝統衣装のような服を買う。俺はミャンマーで同じような服を買っていたので買わなかったが、彼らが着たとたんにインド人の団体観光客が寄ってくる。一緒に写真を撮ることになり、一躍大人気。
まるで有名人のよう。
インド人から人気を得たければ伝統衣装を買って着るのがいいかもしれない。
タージマハルでもガンガーでもそうだったが、何度も全く知らないインド人の観光客にいっしょに写真を撮ろうと頼まれた。おそらく外国人といるところをFBに投稿したいのだろう、断る理由もなかったので頼まれたら応じたけど、赤の他人との写真で満足するのは不思議だ。
まあインド人と仲良くなれるし悪い気分にはならない。
お昼ごはんは南のエリアで食べた。
緑色のがサグカレー(ほうれん草)。野菜の香りが強いけど俺は好き。赤いのはバターチキンカレー。文句なしで美味しい。
本当かわからないけど、バラナシのピザはイタリアより美味しいと友達が言っていた。
チーズビリヤニはイマイチだった。胡椒の辛さが強い。
ジェンベ体験
バラナシを歩いていると楽器の教室もいくつか見つかる。そのうちの一つでジェンベの体験レッスンをした。
ジェンベとは、西アフリカ発祥の打楽器。なぜかバラナシでの体験が人気なようだ。
1時間100ルピーで手を打ってもらう。
手始めに見た先生のジェンベの演奏は軽快で鮮やかだった。
初心者の俺らも真似しようとするけどそんな簡単に真似できるわけがないから、基礎のリズムから練習していく。
※本当は股に挟んで演奏する
ジェンベには3つの音がある。
1つ目は手のひら全体で中心をたたいてドン、と鳴らす音。
2つ目は4本の指だけを使って太鼓の端をたたき、カッと鳴らす音。
3つ目は指の先だけを使って鳴らす音。
レッスンでは1つ目と2つ目の音だけを使って3つのリズムを練習した。
2つ目の音を出すのがなかなか難しい。カッという高い音が出ず、どうやってもドン、という鈍い音になってしまう。
1時間練習して教わったリズムを叩けるようになるのが精いっぱいだった。どのくらい練習すれば先生のように鮮やかに叩けるようになるのだろうか。
簡単に見えて奥が深い。
そのあとは前回紹介したソナの何でも屋でラッシーを飲む。
こちらもヨーグルトが強いタイプ。
連載が再開されるとタイでも噂のハンターハンターを読ませてもらった。
コルカタへ夜行列車の旅
その後は宿に戻ってチェックアウトをする。なんと17時まで部屋にいさせてくれた。
駅までのオートリキシャは後ろに4人乗らなくてはならず、俺は体が半分外にはみ出したような状態で座っていた。体勢的にかなりつらい。
15分ほどつらい体勢を維持して、ようやく駅に到着。
インドの鉄道網はタイに比べるとはるかに発達していると感じる。
タイの国鉄と違って俺が通ったところはすべて電化されている。
バンコクのフアランポーン駅とニューデリー駅を比べてもインドの方が列車の本数が圧倒的に多いと思う。おそらく列車を使えばどこにでもいけるだろう。
この日はSLEEPING CLASS(SL)という、寝台では一番レベルの低いエアコン無のクラスだ。値段は前回乗った3ACの半分。
やや憂鬱そうな女の子に対して、バックパッカー気質の俺は窓が開放できるこういう電車の方が旅の情緒が感じられるからわくわくしていた。
中国で22時間堅い座席の列車移動に耐えた俺に怖いものはない。
インドの鉄道には席なしのチケットもある。そういうチケットを持っているインド人は容赦なく人の席に座る。インド人同士で、お前の物は俺のもの、俺のものはお前の物、という感覚が普通らしい。(ジャイアンとは違う)
だから知らない人に自分の席を座らせてあげる、というケースが多い。
※インドの鉄道は長いシートなので詰めれば何人でも座れる。
寝台を作る前の状態の時にに横にチケットを持ってないと思われるインド人のオバハンが一人横に座ってきた。俺はさほど気にすることもなく座らせてあげたが、友達は自分の席なのに狭くなるので不快そうだった。
また、寝台を作ったあと、下段で寝ている足元にも容赦なく座ってくる。
ここはさすがに気の強い大阪人の友達の助けを得て俺の席だと主張した。
しかし何度言っても「俺はお前の邪魔をしないからノープロブレムだ」の一点張り。
「こっちが気になってしまうのが問題なんだ」、と何度も主張してどいてもらう、というのを二回繰り返した。
まあインドに来たからにはそのくらいの寛容さは持たないとやっていけないのかもしれないな、とも思う。
深夜、列車をまつ人達と駅舎